とある美術展にて。。。

このひまわりはね、力強い筆致で日本の浮世絵を参考に描かれてるのよ。

僕の知ってるひまわりと色が違う。
もっと明るい黄色だよね。

本当だね、お庭のひまわりより濃い色だね。
なんでだろう?違う種類のひまわりなのかな。

暗い部屋に飾ってたのかも。
悲しい気持ちだから、ひまわりをお部屋に飾って元気出そうとしたのかな
みたいな会話をしてみたいもんです。
実際に親子で作品について語らうのって、なかなか難しい。
子どもは広い空間に興奮して、めっちゃいいスピードで進んでいくわが子。
頑張って引き留めても
「お椅子すわる~」「出たらガチャガチャできる??」「もう出ようよ~」と退屈そう。
子どもって美術館楽しめないんですよね。
ということで子どもと一緒に美術館を楽しめるよう、美術館ビンゴに挑戦してみました!
美術館ビンゴとは花や動物、丸や星といったイラストにより構成され、美術館に展示されているものでビンゴを目指すゲームです。
東京国立近代美術館や富山美術館でも配布されており、子どもが美術館を楽しむためのツールになります。
ビンゴのイラストを探すことで楽しく鑑賞でき、探すためには展示物一つ一つをよく見るようになる。
それが美術館ビンゴの狙いです。
そして子供に美術館は楽しいと刷り込み、ゆくゆくは親子で理想の会話をするのです・・・!
そんなにうまく行くか、美術館ビンゴをに挑戦して検証してみましょう。
この記事では美術館ビンゴの使用例と実際の子どもの様子をレポします。

美術館へ行く理由とは ①自分の思考の枠を超える
使用例を紹介する前に、なんで美術館にこどもを連れていくか考察していきます。
美術館に通う理由が明確にあれば、「子ども美術館楽しめない問題」を乗り越えられるはず!
「東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください! 」という本で、アートの役割をかなり鋭く解説しています。
ざっくり要約すると、アートはパラダイムシフトの触媒となる!という話でした。
一般人でも良い作品を作れる現代、アートにおいては何を描くかということより、作品のコンセプトやコンテキストが重要視されます。
この本では例としてマルセル・デュシャンの「泉」が挙げられています。
マルセル・デュシャンの「泉」というと、なんだかおしゃれですが作品自体は既製品の便器です。
既製品の便器にサインを入れただけのものを「芸術か?」と問うことでアートにしたデュシャン。
詳しくは紹介した本を読んでみてほしいのですが、ただの便器を現代アートの先駆けにまで仕立て上げたコンテキストを知った時、芸術ってめんどくさい・・・となりつつ、そのめんどくささが堪らなく興味深かったです。
デュシャンが何を思ってそんな奇行に走ったのか、それを見た審査員たちの心情は、と想像がどんどん膨らみます。
このような作品のコンセプト・コンテキストと出会い、考え方を大きく変えに行くことが美術館へ行く目的の一つですね。
特に子どもたちは自分の世界を作り上げている真っ最中。
美術館での体験は子どもたちの世界をより自由に、より広く捉える機会となります。
美術館へ行く理由 ②正しい問いをたてる
「教えない授業――美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方」 で美術館に行く理由が明確に示されています。
タイトルの通り、「正解のない問い」に挑む力を育てることが美術館へ行く目的です。
学校の授業と違い、社会では正解のない問い、もっと言うと問題があるのかすら認識するのが難しいことが往々としてあります。
そんな問題に直面し、理不尽な目にあった時に対応できる力を身につけるのに、美術館が適しているのです。
前段で紹介したデュシャンの泉は、ただの便器です。
ただの便器を現代アートと呼ぶには、その背景に関する膨大な知識や、なぜそれがアートたりえるか問う力が必要です。
デュシャンの便器は上級者すぎるとして、美術館に展示されている作品について
- この絵は何をしている時の場面だろうか?
- 絵の中の人物はどんな気持ちだろうか?
- この絵の作者はどんな人だろうか?
といった問いを子どもに投げかけていくのです。
この行為で、自身で問いを作りあげていく練習になります。
ここからがこの本で紹介されている対話型鑑賞のすごい所で、子どもの回答に対して「どこを見てそう思ったの?」と聞くのです。
この質問により自分がどこに注目し、そう感じたのかを自分で認識することができます。
これは自己の感性や思考パターンを理解する貴重な機会となります。
美術館ビンゴ活用レポ

美術館の良さを考察したものの、こういった効果は美術館が楽しめないと得ることは難しい。
0歳から情操教育と称して美術館に連れて行っているけど、
1歳:抱っこされたまま展示ではなく母を見る。
2歳:走る
3歳:入場2分で「クレープ食べたい。」
美術館の公園で売ってるクレープおいしそうだよね。。。。
小さい子が美術館を楽しむって難しい!!
そこで美術館ビンゴを導入してみました。
ゲーム性をもたせつつ、作品をより注意深く観察することはできるのか。
導入した展示は、ミニチュア展示のMozu展。
「こびとのお風呂」や「こびとのベランダ」など日常のなかに小人が生活している空間をミニチュアで再現している作品の数々。
ビンゴがなくてもかなり楽しめそうなのですが、ビンゴカードがあることで、かなり作品を観察していました。
小さな世界にビンゴカードに描かれた段ボールや虫メガネはないか、よーーーく探して、時にはあの展示にあったかもと引き戻って観察しなおしたり。
本当に展示物一つ一つをよく見るようになりました。
普段なら見過ごしてしまう細部にも注目し、ミニチュアの電信柱の広告に載っている絵から見つけだし、驚きでした。
全然展示を見てくれないと侮っていた子どもですが、子どもってよく見てるな~と認識を改めました。
美術館ビンゴの注意点
今までの美術展で一番よく見ていたMozu展でしたが、反省点もいくつか。
Mozu展の下調べをして、展示されていそうなイラストを盛り込んだ結果、最初の作品「こびとの階段」で4つ穴が開いてしまったのです。
勢いそのままでどんどん揃ってしまい、列を揃えるではなく全コンプリートが目標になってしまいました。
全コンプリートも悪くないのですが、列を揃えて競うのがBINGOの醍醐味。
またどんどん穴が空いていくと、だんだん興奮が弱くなってしまいます。
適度に展示されないものも入れるのが大事ですね。
またビンゴを揃えることが目的になってくると、作品の背景を考えるという目的が忘れ去られてしまいます。
子どもも親もビンゴに気を取られすぎてしまい、こびとさんたちがどうやって過ごしているのか、このミニチュアはどうやって作ってるのかな、と考えが及びませんでした。
BINGOが揃った作品で対話型鑑賞をとりいれてみるのが良いかもしれません。
美術館ビンゴの活用法
こどもと一緒に美術館を楽しもう!美術館ビンゴの活用事例
- 美術館は子どもの世界を広げ、正しい問いたてる力を身につけられる
- 美術館ビンゴを利用すると、小さい子どもでも展示をよく観察する
- 観察した作品を対話型鑑賞により、理解を深めよう
美術館ビンゴに興味をお持ちの方は、ぜひTwitterやInstagramでご連絡ください。一緒に、より深い美術館体験を探求していきましょう。


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